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やどりぎ薬局-品川区戸越のかかりつけ薬局

高尿酸血症~プリン体制限より先にすること~

少し前まではプリン体制限が騒がれていましたが、
現在の主流は変わっています。

1.総摂取カロリー制限

肥満と尿酸値は強く関係しています。
肥満度が下がれば、尿酸値が下がるという報告が多く出ています。
その理由の一つとして、
内臓脂肪が増えることで、インスリンが効きづらくなり、

尿酸の排出が低下

があります。
食事量を適正にすることで、プリン体摂取も減らすことができます。

食事からのプリン体を抑えていても、
体の中からもプリン体は作られるので、尿酸が下がりにくい環境になってしまいます。

2. 飲酒制限

アルコールは代謝の際に、
体に蓄積されたエネルギー源のATPを分解します。その際に、

プリン体が生成

され、血液中の尿酸値が上昇する原因になります。
また、アルコールは

腎臓での尿酸の排出が低下さ

せます。
また、利尿作用により血液中の水分が失われ、
尿酸濃度が高くなることで、通風のリスクが高くなります。
そんなに太っていなくても、たくさんお酒を飲む方はリスクが高いです。

有酸素運動も有効だけど、注意が必要

有酸素運動は内臓脂肪を減らすことで高尿酸血症を改善します。
しかし、短時間での激しい運動はATPの分解が進むことで、プリン体が生成され、高尿酸血症の原因になります。また、運動は通風を誘発することがあり、虚血性心疾患も含めて、運動強度は慎重に判断する必要があります。
まずは日常で取り入れられる運動から始めましょう。

エスカレーターではなく階段を使う
歩くときは早足で歩く


立ち仕事の場合は

つま先立ちを5回たまにする

よく使うものをあえて取りにくいところにおく

尿酸値の目標値は6以下

尿酸値6以下を3年続けることで、関節に蓄積された尿酸がなくなるという報告があります。まずは3年を目標に頑張りましょう。
そして、お酒が好きな人は

アルコール制限から始めてみましょう。


プリン体を気にして、アルコールを飲むよりも、
休肝日を作ることが大切です。

池 留里子
 薬剤師
 日本糖尿病指導療養士

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